委員になって1年半。
予定では次回で終了します。
長く、色々と悩まされた1年半でした。

イッサンの考え
イッサンが住んでいる市は、今後少子化が進む中、今後の子どもたちの為に、「子どもたちのことを一番に考えた」小中学校の在り方についての答申を、教育的視点から求められました。
では、子どもたちの為に教育的視点からだけで答申を出すのなら、極端な話、お金をいくらかけても良いのか?
そんなことは無いですよね。
「自治体の予算は限られていますので」と言われます。
では、適正規模というのなら、1学年4クラスも5クラスもある大規模の小学校の学区を見直して、隣接する小規模の小学校の学区に入れて小規模校を適正規模にするのか。
それも教育委員会は行いません。
適正配置というのなら、例えば統廃合される2校の小学校を閉校し、その中間地点に新たに小学校を建ててくれるのか。
それも予算が無いという理由で直ぐには行ってくれません。
では何のための「適正規模・適正配置検討委員会」なのでしょう。
結局は、1校当たり、年間1億~3億円掛かる学校の維持費を減らし、手っ取り早く経費削減したいんですよ。
確かに少子化で、今後生徒数は減少傾向です。
だからといって安易に小中学校を統廃合しても良いのでしょうか。
もし皆さんがお住まいの地区から小学校や中学校が無くなったら、その先の将来を想像できていますか?
よ~く考えて想像してみて下さい。

もし小中学校が無くなったら
もし小学校が無くなったら。
①若くてこれから子育てを始めるご夫婦がいたとします。
その方たちが、わざわざ小学校が無くなった地区に移り住むでしょうか?
その選択肢にその地区を入れるでしょうか?
小学校が無くなった地区からは、子どもをバスで隣町の小学校まで通学させます。
「バス通学させるなんて全然平気」という方、保護者に負担があるのはご存知ですか?
保護者は毎朝、交代でバス停まで行き、「バス当番」という作業が発生します。
バス当番とは、そのバスに乗る生徒が全員乗車しているか、保護者が確認しなけばならないのです。
もし一人でも来ていなかったら、その家庭に連絡取ったり、学校に連絡したりとバタバタです。
そんな地区をわざわざ選んで移住してくるでしょうか?
この時点で人口流入がストップしてしまいます。
②小学校が無くなった地区に元々住んでいる若者がいたとします。
その若者が結婚などを考えた時、自分が住居を構える場所を、今住んでいる小学校が無くなった地区に住み続けようと思うでしょうか?
殆どの若者が、地区に小学校がある住みやすい場所を選び、出て行きますよね。
人口流出です。
③小学校も無くなり、新たに人が移住せず、若者が減って行く地区の商店や病院はどうするでしょうか?
人口減少=売上減少です。
今はネットでもビジネスできますので、その様な対応をしても商売が成り立つ魅力的な店づくりができる方なら生き残れるでしょう。
しかし、現実問題、売り上げが減少し、生活が成り立たなくなるかもしれないとなると、早いうちから店じまいするでしょう。
人の多い地区に移転するかも知れません。
病院はどうでしょうか。
病院も商売です。
患者さんが減り、売り上げが減ると経営できません。
商店と同じく、閉院もしくは移転となるでしょう。
商店や病院が無くなった地区は、益々人口が流出してしまうでしょう。
④人口が流出してしまった地区の公共交通機関はどうなるでしょうか?
答えは簡単。
利用客が少ないので路線を廃線です。
かろうじてあった無人駅も無くなるかも知れませんね。
公共交通機関の終了のお知らせです。
皆さんはこの様な未来を想像できているのでしょうか?

解決策
イッサンは、小中学校の統廃合について、賛成派、反対派、双方にとって良い方法が無いか考えています。
「そんなのある訳ない」実際はそうかも知れません。
しかし、考えるのを止めた時点で終わりです。
誰か一人でも考え続けて行動することに意義があるのではないでしょうか。
しかし、良い案はだいたいお金が掛かったりしますので、「予算が・・・」とかいう都合で否定されがち。
最初にあげた、学区の見直しで大規模校から小規模校へ生徒を移す案も、「子どもや親の心理的負担が大きい」とか言って却下。
小学校が統廃合されて無くなった時の方が、子どもや親の心理的負担が大きいに決まっています。
そんな中でも、唯一「これだ!」と思っていることがあります。
教育費
市の予算の中で、学校関係に当てられる費用が「教育費」です。
その教育費の割合ですが、イッサンが調べたところ、全国の各市町村の平均は20%。
イッサンの住んでいる市のある年度の教育費の割合は22.3%でした。
しかし、子どもたちが減っていく中で、特にイッサンが住んでいるような田舎の自治体の教育費の割合が全国平均で良いのでしょうか?
調べたら、教育費が30%を超える自治体もありました。
- 栃木県那須烏山市:32.9%
- 大阪府東大阪市:31.9%
- 北海道小樽市:31.1%
- 栃木県真岡市:30.9%
- 長野県下諏訪町:30.9%
- 静岡県浜松市:30.4%
- 栃木県栃木市:30.4%
この自治体にどの様な産業があったり、その教育費をどの様に使っているかまでは分かりませんが、未来の宝である子どもたちの為に、イッサンが住んでいる市でもこれくらいはお金を使ってあげるべきだと考えています。
やはり全てはお金なんです。
「教育的視点から」などというキレイごとではなく、市の財政をどう分配するのかというところが重要です。
予算があればこのまま小規模校も存続できるかも知れません。
大規模校や適正規模校の様に1学年のクラス数が何クラスもなくても、教員の資質や地域との関わり合いの中で子どもたちは立派に成長すると考えています。

〆
次回で小中学校の適正規模・適正配置検討委員会も最後になる予定です。
結局内容は統廃合ありきで考えられ、進んでいます。
イッサンはそれに疑問を持っており、ストレートにその疑問やイッサンの住んでいる地区の保護者の意見を代弁しています。
少子化で子供が減っていくことは分かります。
じゃあ逆に、市は人口を増やすためにどんな政策を行っているのか。
それが見えてこない中で、「子供が減るから小中学校を減らしましょう」と言われて納得できますか?
「子どものことを一番に考えて」という言葉が聞いて呆れます。
賛否両論あるとは思いますが、皆さんは小中学校の統廃合についてどう思いますか?
本日はこの辺で。

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