小中学校の統廃合検討委員会で4校の小学校を視察してきました。

小学校の規模
視察先の小学校の規模ですが、教育委員会が選んだだけあり、標準的な規模、小規模、中規模、大規模と、まんべんなく視察できました。
標準的な学校では、各学年2クラスずつ。
小規模校では、各学年数名ずつで全校生徒が約20名。
大規模校では、各学年4クラスずつ。
中規模校では、各学年1クラスずつ。
と言った感じでした。
イッサンがPTA会長を務める小学校は、各学年1クラスずつの中規模校にあたります。
中規模で各学年1クラスずつと聞くと、少ない気がしますよね(^^;
イッサンが小学生だった30年くらい前を考えると少ないですが、少子化の進んでいる今はこれが普通なんです。
1校目の標準的な規模の小学校
イッサンがPTA会長を務める学校よりも、各学年1クラスずつ多い小学校でした。
1クラスの人数は約30人。
人数で言うと、イッサンの地区の小学校よりも単純に3倍の人数がいますので、生徒数も多いな~と言う印象です。
普段、多くても1クラス20人未満の状況を見てましたので、教室に30人がぎゅうぎゅうに並んで入っていると言う印象を受けました。
学校自体はイッサンの地区の小学校よりは大きく感じましたが、教室の広さは同じくらいなので人数が多いとそうなりますよね。
この小学校には、支援学級が5クラスもあって、特に情緒系の支援が4クラスと多かったです。
全教室を回り、最後に校長室でお話しを聞き、小学校を後にしました。
この小学校の様に、1学年2クラスあるくらいの方が、クラス替えも出来るし、良いのかな~とは思いました。
欲を言うと、1クラス25人くらいだと良いのかな?とも感じました。なんとなく。
2校目の小規模校
こちらはかなり人数の少ない小学校で、1~6年生と支援学級の生徒全員で約20名と、かなり少ない小学校でした。
国語と算数以外は、複式学級で授業が行われています。
複式学級とは、小,中学校において2つ以上の学年の児童,生徒を1つに編制した学級の事を言います。
つまり、社会や理科などは、1,2年生が一緒に、3,4年生が一緒に、5,6年生が一緒に授業を行います。
授業の内容ですが、1,2年生が一緒に授業を行う際は、入学年度が奇数年度をA年度、偶数年度をB年度とし、A年度に入学した生徒は最初に1年生の授業を受けるけど、B年度に入学した生徒は1年生であっても2年生の授業を一緒に受けるようになります。
そうすることで、毎年進級し、複式学級で授業を受けても、同じ学年の内容が被らない様になっているのです。
そこで疑問に思うのが、「1年生が2年生の内容の授業について行けるのか?」と言うことですよね。
その点は安心して下さい。
文部科学省も、国語と算数以外は、「2年単位でここまで学習しましょう」と言う進め方になっているので、複式学級での授業でも1年生が理解できない事はないそうです。
それに、これだけ人数が少ないと、複式学級での授業も、生徒数が6名くらいなので、先生が一人一人の生徒に対し、しっかりと教えられるのです。
授業の方は複式学級で解消できますが、問題なのは運動会や学習発表会などの行事です。
全校生徒が20人くらいなので、各学年での競技は出来ないので、全校種目を3種目行ったそうです。
それだけではなく、地域の方も参加できる運動会を開催し、準備の段階から地域の方が積極的に参加して下さったり、近くの会社さんも一緒になって準備に駆けつけてくれるなど、この小学校の地域の方の暖かさが伺える様な、素晴らしい地区なんだそうです。
この様な話を聞くと、安易に「少ないから統廃合」とするのもなんだかな~と思いますよね。
その反面、全校生徒20人の学校に対し、学校機能を維持するために、市がどれくらいのお金を出しているのかも考えなければなりません。
やはり統廃合は、その後の地域のことを含めて考えなければいけない問題だなと感じました。
校長先生いわく、「この学校の生徒さんたちは、みんな思いやりがあって優しい。それがずっと引き継がれている学校。生徒数が多い学校なら、自分がやらなくても良いような事でも、自分たちが進んでやらなければならない。そう言った面はとても良い面だと思う」との事でした。
人数が少なく、少し寂しい印象を受けましたが、凄く心が温かくなる、そんな感覚になった小学校でした。
3校目の大模校
ここは生徒数が非常に多く、全校生徒が約750人!
各学年4クラスずつもあり、とにかく全教室を回るのも大変でした(^^;
ハッキリ言います。
こんなにもいらん!(笑)
「学校の適正規模化」と言うのなら、この様なマンモス校を解体し、もっと人数を減らすべきです。
友人のお子さんがこの学校に通っていますが、毎年クラス替えで知らない人ばっかりとのことでした。
教室数も多く、授業参観に行くたびに、迷子になるのだとか(^^;
クラス数が多いと、それだけ先生の人数も多く、各学年に学年主任がおり、「学年団」ができ、その中で各学年の授業の内容などが話し合われるので、先生方も一人で考えなくて済むと言うことで、新任教師にはとてもやり易いのだとか。
色々良い面もあるとは思いますが、果たしてこんなに人数の多い学校で子供たちにはどんなメリットがあるのだろうか?疑問を持ちました。
そりゃあ、対人的な免疫は付くでしょうが、もっと少ない人数で、クラスの中で繋がりの強い仲間が多い方が、今後の人生に大きくプラスになる様な、そんな気がします。
毎年クラス替えで知らない子たちばっかりだとどうなのでしょうか。
そのような疑問が生まれた大規模校の視察でした。
4校目の中規模校
中規模校と言っても、各学年1クラスつで全校生徒100名程。
イッサンの地区とほぼ同じ感じです。
各教室には20名弱の生徒さんがおり、イッサンが見慣れている光景でした。
見慣れているせいもありますが、とてもしっくりくる。
以前、イッサンの小学校の恩師が仰っていた、「1クラス20人くらいが良い」と言う言葉がそのまま納得できるかのようなモデルでした。
地区10年くらいの新しく建て替えられた校舎は、木がふんだんに使われており、あたたかな雰囲気。
廊下が校舎内になるのも凄く良かったです。
各学年1クラスずつなので、クラス替えができない分、異学年交流が積極的に行われ、どの学年も垣根が無く仲が良いのだとか。
しかし、運動会や学習発表会などは複式学級で行う為、本当はもっとその学年に応じた内容をやってあげたいとのことでした。
確かに、どちらかの学年に合わせるとなると、難しくなったり、簡単になり過ぎたりと、調整が難しいと思います。
何となく居心地の良かった中規模校を後にし、市役所へ戻ってこの日は解散しました。
〆
結論は出ませんが、どの学校もメリットデメリットがる事はよく分かりました。
限られた予算で学校を運営するとなると、やはり小規模校が沙汰されるのは仕方ないかとも思いますが、先ほども書いた通り、その地域のケアを市がどこまで出来るのか、が大きな課題の様な気がします。
巷では、義務教育学校と行って、小中を一緒にし、9年生の学校を作ってはどうかと言う意見もありますが、小学6年生の高学年となり、そこでのリーダーシップや自主性を学ぶと言う大切な機会が減ってしまう気がするので、義務教育学校にはあまり賛成できません。
本当に難しい課題に取り組む委員になってしまった事を、今さらながら実感しております(^^;
皆さんはどう思いますか?もし自分たちが小規模校の近くに住んでいたらどうですか?
近くの小学校が無くなったらどうなると思いますか?
本日はこの辺で。

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