あいさつ運動があった日の午後。
会社を休んで学校統廃合検討委員会のお仕事です。

中学校視察
この検討委員会になってから3回目の学校視察。
1回目は小学校を4校視察。
2回目は中学校を2校視察。
それぞれ大小さまざまな規模の学校を視察しました。
その中でも一番印象に残ったのが、全校生徒数が20人未満の小学校です。
正直、寂しい感じでした。
子供たちにとっても、もっと生徒数がいた方が良いのではないかと思います。
先生も少ないので、先生の急な休みの対応も大変そうです。
他の視点から見ると、20人に満たない学校の維持費も気になりますよね。
色々な角度から見て物事を考えなければいけませんので悩みます。
この様に、色々と考えさせられる学校視察。
今回は少し変わった学校を視察しました。

GIGAスクール構想
皆さんも聞いたことあるかも知れません。
GIGAスクール構想ってご存知ですか?
GIGAスクール構想とは、義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する5年間の計画です。 その目的は子どもたち一人一人の個性に合わせた教育の実現にあります。 さらに、教職員の業務を支援する「統合系校務支援システム」の導入で、教員の働き方改革につなげる狙いもあります。
~IT EXchange~
目まぐるしく変化している世の中。
この変化に対応できる子供たちを育てる為に行われている取り組みです。
残念ながら、日本はの学校教育のデジタル化は他国と比べて10年以上遅れていると言われています。
その遅れを取り戻すべく、GIGAスクール構想をかなり推進している学校を視察しました。
学校教育の改革
この中学校は、イッサンが住んでいる市の中でも、一番生徒数が多い学校で、全校生徒数約350名。
市内でも一番強引に?校長先生自らがGIGAスクール構想を進めている中学校です。
文部科学省が視察に来るほど先進的で、視察に行ったイッサンも驚かされました。
先ずはその授業風景です。
生徒は常にクロームブックというパソコンとタブレットの間の様なPCを机に置き授業を受けています。
この風景は、今は他の学校でも一般的になってきていますが、その使用頻度が8割以上とのこと。
ほぼすべての授業でクロームブックを使用します。
そして授業のスタイルも変わっています。
普通の授業の光景って、先生が教壇に立ってチョークを持ち黒板に書きながら生徒たちに向かって話し、回答を求める際だけ生徒を指名すると言う感じですよね。
その様な今までの形ではなく、課題に対して生徒たちが自ら考え、グループでお互いを助けながら答えを導き出すというやり方で、先生はそのアドバイスをするアドバイザー的な役割となっているのです。
ですので、グループワークが主体となっていました。
激しいクラスでは、生徒数名が教壇に立って授業を進めていき、先生は脇の椅子に座ってその授業を眺めているといった感じです。
この意図は何なのかと言うと、
予測困難な社会を切り開き、解のない課題を周囲と協働で解決していきながら、多様化する価値観の中で、他者を受容し、共生する生き方を貫きながら、自分の幸福を追求していこうとする人材育成
とのことでした。
こうなってくると、今までの先生の教え方では全く正反対になってしまいます。
先生方も、今まで通りのやり方の方がとても楽だったでしょう。
指導要領通り、決められたことを教えて行き、生徒を当てて答えさせ、まとめをし、振り返るだけで良かったのですから。
先ずは先生を育てる段階でGIGAスクール構想を念頭に置いたやり方をしなければ、現場に出た時に困りますよね。
今現在、この中学校の先生方も大変困っているみたいです。
今までよりも先生方に高いスキルが求められますので、これで更に先生のなり手が減らない事を祈ります。

校則
さらにこの学校は、校則を撤廃。
その代わりに、生徒会が自ら考えて作った「心得」があるそうです。
校則は基本、学校側が決めて生徒に守らせるものですが、この学校では、自分たちで作った心得を自分たちで守るというやり方なのです。
ですので、髪の長い女子生徒でも、髪を括っていない子もいれば、サイドとバックを借り上げて、上の髪を長く伸ばし、その髪を束ねたいわゆる「マンバヘア」(昔で言うツーブロックってやつです)の生徒もいました。
校長先生に「あれは大丈夫なんですか?」と尋ねると、
「あの髪型がなぜダメなのか説明できませんよね。なのでOKになっています。今までは校則でダメとされていたから先生方もそれを持ち出して注意していましたが、ではなぜそれがダメなのかと尋ねられたら答えることが出来ません。生徒にちゃんと説明がつく明確なものが無いものはよしとしました。髪を染めることは、生徒たち自らが、学校自体が悪く見られるのではないかという事で、心得で禁止しています。」
とのことでした。
基本、染色脱色以外は何でもOK。
イッサンもこの時にこの中学校に行きたかったです(笑)
この校則撤廃の取り組みも校長先生が一枚嚙んでます。
何でも生徒主体で考えて決めさせたいという思いだそうです。
毎年の部などの予算案もそれぞれの部が生徒主体の予算委員会で決めるそうで、まるで中学校が小さな一つの社会の様でした。
自分たちで考えて行動できる生徒たちを育てる、生徒たちが真ん中にある未来の学校を作りたいと考えているそうです。

〆
色々な考え方があります。
一概にこの取り組みが良いのか悪いのかは言えませんが、国がこの取り組みを推奨しているのは間違いありません。
これからすべての学校がこの様になって行くのでしょうか?
しかし、中には、いや、中にはと言うよりも、保守的な先生方が多い為、なかなか他の学校では進まないのが課題なのだとか。
皆さん現状維持バイアスが働くんですよね。
現状を変えるのを嫌がります。
さて、皆んさんはいかがですか?
今まで通りの学校か、それともGIGAスクール構想を推し進めている学校か。
イッサン的には、両方の良い所を取りながら、少しずつ前進していく方が日本人に合っているような気がします。
先生も大変ですが、生徒の方はもっと大変かもしれません。
色々考えさせられる視察でした。
本日はこの辺で。

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