最近の子どもたちは特に「夢を持て」と言われています。
本当に「夢」は必要なのでしょうか。
現状
ここ最近、就活中の大学生の悩み相談でとても多いのが「面接で夢はあるか?と聞かれるのですが、どう答えたら良いのでしょうか」ということ。
夢って皆さん持ってますか?
夢が無いと生きられないのですか?
そんな事はありませんよね。
なぜこうも大人は子どもたちに「夢を持て」というのでしょうか。
そして、「夢」とはなんなのでしょうか?
夢
~夢~
1 睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。視覚像として現れることが多いが、聴覚・味覚・触覚・運動感覚を伴うこともある。「怖い—を見る」「正 (まさ) —」
2 将来実現させたいと思っている事柄。「政治家になるのが—だ」「少年のころの—がかなう」
3 現実からはなれた空想や楽しい考え。「成功すれば億万長者も—ではない」「—多い少女」
4 心の迷い。「彼は母の死で—からさめた」
5 はかないこと。たよりにならないこと。「—の世の中」「人生は—だ」→夢に →夢にも
~goo辞書より~
今回の話題で言うと、2の「将来実現させたいと思っている事柄」がそれにあてはまりそうですね。
これだけで見ると、「うんうん、そういうのも必要かもね」と思います。
しかし、誰しもが子どもの頃から「将来実現させたいと思っている事柄」が明確で、それに向けて突き進めることって難しいですよね。
今の学校教育では、夢を持っていないとダメだと言わんばかり。
先日行われた中学校区での学校運営協議会で、ある小学校の校長先生がこんな発言をされておりました。
「とにかく子供たちに夢を持つことを言い続けています。教員にも積極的に自分の夢について語らせるようにしています」
この発言を聞いて、イッサンは危険だな~と感じましたが、いらんことは言わないようにしました。
そもそも、先生方たちみんなが「夢」なんて持っているのでしょうか?
「将来実現させたいと思っている事柄」が「夢」であるなら、教員になることが「夢」の人は教員になった時点でその夢は叶いました。
そこから更に新たな夢を持つ方もいらっしゃるでしょうが、教員になったら上り!って考えの方も全体にいらっしゃるはずです。
そんな先生は子どもたちに「ウソの夢」を語る訳ですよ。
子どもたちからすれば、「大人はみんな夢を持っている。僕たち私たちも何か夢を持たなくては・・・」と考えます。
そこで自分の夢を決められる子は良いですが、夢が決まらない子は「自分だけ夢が無い・・・どうしよう・・・」となりませんか?
それに、ここで言う「夢」って、個人が幸せになる為の意味合いが強いと感じます。
それも少し怖いです。
自分たちが幸せになれれば他人はどうなるのか。
もし自分たちがその「夢」を叶えた裏側には、その「夢」を叶えられなかった人たちが存在するのです。
そんなことで、この人間社会は上手く行くのでしょうか?
夢がなくても大丈夫
夢なんかなくても生きて行けます。
逆に!みんながみんな夢を持ってしまい、それぞれが好き勝手生きていくと、この世の中回らなくなりませんか?
きっと夢が無い人たちは普通にサラリーマンやOL、パートやアルバイトをしてそれなりに給与をもらい生活していきます。
そんな人たちがいるお陰でこの世の中は、この日本は回っているのではないでしょうか。
もし仮に、全員が「起業して社長になる!」っていう夢を持ってしまうと、その時点で日本は終了でしょ?
だって、企業で働く人がいなくなるのですから。
ただですら人手不足なのに、それに拍車が掛かります。
保育園や幼稚園、小学校から中学、高校、大学までず~っと「夢は何ですか?」とか「将来の夢は?」と聞かれ続けると、必然的に「夢がないとダメなんだ・・・」と感じてしまい、悲観する子どももいるのではないでしょうか。
そうならない為にも、「夢なんかなくても大丈夫!」と、大きな声で言ってくれる大人が必要なのだと感じます。
夢がないことは決して悪いことではありません!
夢がないことで、自由度の高い生き方ができます!
将来について柔軟に考えられます!
と、大声で言ってくれる大人が。
逆に、もしその「夢」が叶わなかった時、その子どもたち、もしくはその子どもたち大人になった時、一体どうなるでしょうね。
保育園や幼稚園、小学校から中学、高校、大学までず~っと「夢は何ですか?」とか「将来の夢は?」と聞かれ続けてきた子どもたちですよ?
その時点で「夢の修正」ができる子もいれば、立ち直れない子もいそうなことは容易に考えられます。
それが引きこもりとなるのか、自ら命を絶ってしまうのかは分かりませんが、とても危険な教育現場だなと感じています。
〆
敗戦国となった戦後の日本が急成長できたのはなぜかと考えてみましょう。
それは国民一人一人が「この国を豊かにする為」「この国を復興させる為」に一丸となり、お互いがお互いのことを思いやり、他人同士支え合ってきた結果ではないでしょうか。
もしこの時点で、国民一人一人の「夢」が個人のことしか考えていなかったら、今の日本はありません。
決して夢が悪いわけではありません。
でも、夢が無いことは悪いことではありません。
夢が無い、もしくは夢があってもそれほど思いが強くない多くの人達の上にこの国は成り立っているのです。
その事も良く考え、子どもたちに「夢」を語ってほしいと、イッサンは感じています。
子どもたちのその「夢」が多くの人を助けるものであってほしいと願っています。
本日はこの辺で。
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